ヤマシギはフランス語でBecasse(ベカスまたはベキャス)と言います。
日本ではもともとあまり食べる文化はありませんが、主にフランスではジビエの王様、ジビエのロマネコンティと称される程、歴史と人気のある高級食材です。
特徴
夏はユーラシア大陸で過ごし、冬はヨーロッパで越冬する渡り鳥です。
体長30㎝と鳩と同じくらいの大きさで、全身茶褐色のうろこ状の模様の毛でおおわれています。
細長いくちばしが特徴で、土の中にいるミミズや虫を食べます。
日本でも北海道から関西にかけて湿地などの茂みに生息していますが、あまり人前に姿を現すことは無く、捕獲量もほとんどありません。
全身の羽は枯れた葉の色に似ていて、夜行性で素早くジグザグに飛んで逃げるため、狩りがとても難しい鳥で、故に希少価値が大変高いジビエなのです。
味
内臓や脳みそは熟成することでより濃厚になり、風味が増します。
肉は赤身で、しっとりジューシーで噛みごたえと独特の香りと旨味があります。
オス・メスによる味の違いはありません。
おいしい季節・旬
食用として人気が高いフランスでは、乱獲されたために生息数が急激に減っており、現在は保護鳥に指定されているため、狩猟は禁止されています。
現在日本で流通しているものはイギリスやベルギーからの輸入品が中心で、イギリスでは9月1日から翌1月31日までが猟期です。
日本では、北海道は10月1日から翌年1月31日、その他の地域では11月15日から翌年2月15日まで猟ができます。
ただし、京都府では絶滅危惧種に指定されているため、猟はできません。
11月~2月頃までインターネットや専門店で購入することが可能ですが、流通量は多くはありません。
おいしい部位
ヤマシギは、その脳みそや内臓が特に珍重されています。
むね肉、もも肉にもジビエらしい香りと旨味があり、捨てるところは無いと言われています。
下処理の方法
4日~3週間ほどフザンダージュ(熟成)させたほうが、より香りと旨味が増します。
輸入物であれば、腸だけ抜いて羽根つきのままで熟成させたほうがいいでしょう。
国産の場合は比較的皮膚が薄く破れやすいので、羽根つきのまま3日程度保存し、その後は羽と腸を取ってガーゼなどに包み、更に数日熟成させてから調理しましょう。
吊るすときは逆さにして内臓を傷めないように注意してください。
フレッシュな状態が好みであれば死後硬直が解けた頃から調理できますが、首が取れる直前まで熟成させるのが一般的です。
おすすめの調理法
肉は大きい塊のまま焼く(グリエ)のがおすすめですが、パサつきやすいので火の通しすぎには注意が必要です。
味付けは、血や内臓、脳みそを使用した濃厚なソースや赤ワインのソースが合います。
しっかりした赤ワインと一緒に味わいましょう。
ソシソン(ソーセージ)にしたり、内臓も一緒に使ってパテやテリーヌにしても熟成の香りや旨味を堪能できるでしょう。
注意点
冷凍で真空パックされている輸入品が多くありますが、パックの中で発酵臭がついてしまう事があるので、可能であれば冷蔵品などで真空パックになっていない物、または、真空パックで長期間保存されていない物を選ぶ方がいいでしょう。
また散弾銃などの弾丸や破片が体内に残っていることがありますので、注意してください。
まとめ
日本ではフランス料理以外であまり見ることのないヤマシギですが、ジビエ好きの間では特に人気がある肉で、フレンチのシェフも「ヤマシギが入荷できたらテンションが上がる」とまで言います。
ジビエ特有のフザンダージュ(熟成)の効果がよく発揮され、ジビエの代表ともいえる食材ですので、ジビエに興味がある方はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
ジビエを売りたい方(猟師・販売業社様)
鹿や猪を獲っているけど、売り先がなくて困ってはいませんか?
以下のページより詳細をお聞かせください。
ジビエを買いたい方がいたときに、ご連絡させていただきます。
ジビエを買いたい方(飲食店経営者様・一般の方)
高品質なジビエをリーズナブルな価格で仕入れたいと思ってはいませんか?
以下のページより詳細をお聞かせください。
ジビエを売りたい方がいたときに、ご連絡させていただきます。